即興パイオニア「パイレーツ・オブ・東京湾」による記念公演

「海賊」と聞けば、武力を用いアイパッチをした組織が思い浮かぶが、「パイレーツ・オブ・東京湾」のメンバーはそんな危ない集団ではない。実際彼らは、言語に限らず誰でも笑わすことを武器としている。

アメリカ人のマイク・スタッファー氏により2010年に立ち上げられ、欧米流の即興を日本に持ち込むことを目標としたこのグループは、東京で唯一のバイリンガルコメディグループとして文化の橋渡しをしている。

日本人と外国人メンバーにより構成された同グループは観客から与えられたテーマをもとにユニークな即興コントを披露している。イギリスやアメリカで有名なテレビ番組「Whose Line Is it Anyway?」のように、彼らは即興でコントや歌を歌っている。

では、漫才が主流となっている日本であえて東京で即興という新境地を開拓することになったのはなぜだろうか。

「皆さんが思っていることを躊躇なくシェアできる環境を作りたいんです。」とスタッファー氏(34)は言う。「即興ではお客様がフィードバックをしなければならないため、日本のスタイルにはあまり向いていないかもしれません。ですが最終的にはこのスタイルは皆さんが徐々になじんでくるんじゃないかと思います。」

日本の他の即興グループと違うところは、「パイレーツ」は公演中に言語を変えることで観客の母国語(日本語・英語)を必ず取り入れているところだ。

「僕たちがやっている即興はショートコントなので、それぞれ3~5分間です。」と説明する。「日本語のみのコントを3分間やったあとは次のコントでは英語のみにすることでバランスを取っています。そのほかにはパントマイムやデタラメ語といったどの母国語にも当てはまらないゲームもします。これらも言語を使わずに、お客様とコミュニケーションを取っている一つの方法です。」

「あと歌のゲームも似たようなことが言えますね。」と語るのは4年前にグループに入った日本人メンバーの川畑誠仁氏(30)。「歌詞はわからなくても、音楽やビートは楽しむことができます。」

コメディを同時通訳すれば、進行も遅くなり、その分笑いもなくなってしまう、とスタッファー氏は考える。「お客様の鼓動を感じるようにしています。」と言う。

「パイレーツ」はすでにアジア各国の都市で公演している。メンバーは海外のお客様とも繋がるために、公演前には現地の文化を学び、コントの内容をローカライズしている、とスタッファー氏は言う。

現在メンバーの3分の1が日本人だが、スタッファー氏はもっとたくさんの日本人に即興に挑戦してもらい、最終的には人数を外国人メンバーと同等にしたいという。

「半分ぐらいがいいですね。」と彼は述べた。「そうすれば、日本で長く活動できると思いますから。」

「パイレーツ」は即興でただ人を笑わすだけではなく、この技術で重要な役割も果たすことができるという。

「日本企業に向けて社員教育も兼ねた企業研修も始めています。」とスタッファ氏は言う。「即興をするなら、相手を信頼すること、瞬発力を鍛えること、臨機応変さが欠かせません。ですので、ただ舞台でおもしろいことをやっているパフォーマーとしてだけではなく、即興の技術をビジネスに取り入れるフィールドにも進出していきたいんです。」

スタッファー氏は「パイレーツ」を日本を代表とする即興グループとして確立させたいそうだ。

「欧米のコメディグループが日本に来たとき、最初のコンタクト先に僕たちがいるような状態になりたいです。」と言う。「即興に特化したグループとしてパイレーツの認知度を高めていきたいですね。五年後には日本の即興グループとして知ってもらうことが僕の目標です。」

次回公演は「パイレーツ・オブ・東京湾」の五周年記念公演と今までで最大となる。この日の夜は、特別動画ゲストとして日本とアメリカからユーチューバーが参加し、メンバーたちに即興チャレンジと題したゲームを与える。五周年記念公演は11月29日(日曜日)に六本木(東京)のスーパー・デラックスで開催される。

Webサイト:www.piratesoftokyobay.com

英文記事:http://www.japantimes.co.jp/community/2015/11/22/how-tos/improv-pioneers-pirates-tokyo-bay-plan-big-bilingual-birthday-bash/#.VlPPmb_dVde