アイスランドの「13人のサンタクロース」(ユールラッズ)は、12月12日から毎晩1人ずつやって来て、クリスマスイブに13人がそろういたずら好きのサンタたちです。スプーンをなめる、ドアをバタンと閉める、ソーセージを盗むなど、1人ずつ得意技があります。2026年11月28日(土)には、埼玉県飯能市のメッツァビレッジで、パイレーツ・オブ・東京湾が彼らに扮した即興パフォーマンスを行います。
私たちは2010年から東京で活動している、日本語と英語で楽しめる即興コメディグループです。台本なし、予測不能。普段は恵比寿のパブで毎月公演をしていますが、今年の冬は13人のサンタの役が回ってきました。まずは、彼らが何者なのかから。
サンタが1人では足りない国の、13人の顔ぶれ
アイスランドの13人のサンタクロース、ユールラッズは、洞窟に住む兄弟で、1人ずつ名前と得意技(というより、いたずらの癖)が決まっています。12月12日の夜に1人目が町にやって来て、翌日から1人ずつ順番に到着し、12月24日に13人目が着きます。帰りは12月25日から1月6日まで、来た順に1人ずつ帰っていきます。つまりアイスランドのクリスマスは、1か月近くサンタが入れ替わり立ち替わり通ってくる、かなりにぎやかな行事です。
| 到着日 | 日本語の呼び名(アイスランド語) | 得意技 |
|---|---|---|
| 12月12日 | 羊小屋のでくのぼう(Stekkjarstaur) | 羊小屋に出没する |
| 12月13日 | 谷間のぼんやり(Giljagaur) | 谷間にひそんで様子をうかがう |
| 12月14日 | ちび(Stúfur) | 背が低い |
| 12月15日 | スプーンなめ(Þvörusleikir) | スプーンをなめる |
| 12月16日 | 鍋こそげ(Pottaskefill) | 鍋の底をこそげて食べる |
| 12月17日 | お椀なめ(Askasleikir) | お椀をなめる |
| 12月18日 | ドアバタン(Hurðaskellir) | ドアをバタンと閉める |
| 12月19日 | スキール食い(Skyrgámur) | スキール(アイスランドの乳製品)を食べ尽くす |
| 12月20日 | ソーセージ泥棒(Bjúgnakrækir) | ソーセージを盗む |
| 12月21日 | 窓のぞき(Gluggagægir) | 窓からのぞく |
| 12月22日 | 戸口の鼻(Gáttaþefur) | 戸口でにおいをかぐ |
| 12月23日 | 肉フック(Ketkrókur) | 鉤で肉を釣り上げる |
| 12月24日 | ろうそくねだり(Kertasníkir) | ろうそくをねだる |
母グリーラ、父レッパルージ、そしてクリスマスキャット
ユールラッズの家族は、本人たち以上に手ごわいです。母のグリーラは、言い伝えでは言うことを聞かない子どもを煮て食べてしまう女の怪物。父のレッパルージは怠け者で、ほとんど洞窟から出てきません。そしてクリスマスキャット(Jólakötturinn)は、クリスマスイブまでに新しい服をもらえなかった人を食べてしまう猫です。私たちは念のため、本番前に全員で靴下を新調する予定です。
窓辺の靴に入っているもの
子どもたちは窓辺に靴を置いて眠ります。夜のあいだにユールラッズが小さなプレゼントを入れていくからで、いたずらをした子の靴には腐ったジャガイモが入ります。私たちも楽屋の窓辺に靴を置いてみましたが、今のところ入っていたのはジャガイモでした。
怖いおじさんから、やさしい贈り主へ
ユールラッズは、もともと子どもを脅かすための存在でした。言うことを聞かないと13人が山から下りてくる、という使われ方です。1746年には、ユールラッズで子どもを怖がらせることを禁じる布告が出されるほどでした。1862年にJón Árnasonの民話集が初めて彼らの名前を記録し、1932年にJóhannes úr Kötlumが詩集『Jólin koma』で発表した詩によって、今日の13人の名前と性格が定着します。現在のユールラッズはだいぶ丸くなっていて、伝統的なアイスランドの衣装、ときにはサンタの服を着て、プレゼントを配る側に回っています。
即興コメディの集団なので、丸くなる前のバージョンも頼まれれば演じられます。今のところ誰にも頼まれていません。
今年の冬は、飯能で13人に会える
2026年11月28日(土)、埼玉県飯能市のメッツァビレッジで開かれる「アイスランド・クリスマス・ウィークエンド 2026」で、パイレーツ・オブ・東京湾が13人のサンタに扮した即興パフォーマンスを行います。アイスランド大使館の協力のもと開催されるイベントで、1918年12月1日にアイスランドが主権を得た日にちなんで開かれます。
パフォーマンスは2回。11:30の回はスヴァンヒルドゥル・ステイナルスドッティル領事の開会のあいさつに続いて始まり、2回目は14:00です。ユールラッズの衣装を着たメンバーが、その場のお客さんの声をもとに13人のサンタをテーマに場面を作る即興スタイルで、言葉は日本語。会場はメッツァアウキオのツリー前で、入場も観覧も無料です。衣装は目下準備中で、スプーンをなめる練習だけは順調です。残り12の得意技は、本番で。
恵比寿ではいつも1ドリンク付で公演しているので「ドリンクは?」と聞かれそうですが、メッツァは無料イベントなのでドリンクは付きません。ツリーと13人のサンタが付きます。
イベント情報
イベント名: アイスランド・クリスマス・ウィークエンド 2026(2026年11月28日(土)・29日(日)開催)
パフォーマンス日: 11月28日(土)のみ
開始時間: 1回目 11:30(領事の開会あいさつに続いて)、2回目 14:00
場所: メッツァビレッジ メッツァアウキオのツリー前(埼玉県飯能市宮沢327-6)
雨天時: クラフトビブリオテックで実施。2回目は15:00に変更
料金: 入場・観覧無料(ワークショップなど一部コンテンツは有料)
協力: アイスランド大使館
詳細: メッツァ公式イベントページ、プレスリリース
翌日の11月29日(日)は、恵比寿のWhat the Dickens!で16周年の記念公演です。ユールラッズの翌日にいつもの舞台に戻るので、靴にジャガイモさえ入っていなければ、たぶん間に合います。
サンタが帰ったあとも、恵比寿では毎月いたずらが続く
パイレーツ・オブ・東京湾は、2010年から続く東京で最も長く活動している、日本語と英語で楽しめる即興コメディグループです。日本と海外出身のメンバーが、お客さんから出てきたお題をもとに、その場で場面を作ります。台本なし、予測不能。パントマイムやジブリッシュ(意味のないでたらめ語)、体を使った笑いで言葉の壁をまたぐので、英語がわからなくても楽しめるし、日本語がわからない人も同じ場面で笑っています。英語の勉強のつもりで来て、気づいたら隣の席の人と一緒に笑っていた、という夜がだいたい毎月あります。
一人で来る人も、初めての人も多いです。「英語が苦手だけど大丈夫?」「一人でも浮かない?」といった心配はよくある質問にまとめてありますが、短く言うと、どちらも大丈夫です。東京で少し変わった面白い体験を探している人には、たぶん向いています。他のライブも含めて比べたい人は、東京のコメディライブガイドにまとめています。
公演情報
会場: What the Dickens! 4F(恵比寿駅から徒歩3分、渋谷から1駅)。会場の雰囲気はWhat the Dickens!会場ガイドで
日程: 毎月1回、日曜の夜
時間: 開場 19:00、開演 19:30
上演時間: 約2時間(15分の休憩を含む)
料金: 2,500円(1ドリンク付)。ペア割 4,400円(公演1週間前まで)
Googleクチコミ: 4.9(221件以上)
よくある質問(ユールラッズ編)
ユールラッズは何人いて、いつやって来ますか?
13人です。12月12日から12月24日まで毎晩1人ずつやって来て、クリスマスイブに全員がそろいます。帰るときは12月25日から1月6日まで、来た順に1人ずつ帰っていきます。
なぜ窓辺に靴を置くのですか?
ユールラッズが夜のあいだに小さなプレゼントを入れてくれるからです。言い伝えでは、いたずらをした子の靴には腐ったジャガイモが入ります。
グリーラとクリスマスキャットとは何ですか?
グリーラはユールラッズの母親で、言い伝えでは言うことを聞かない子どもを煮て食べてしまう女の怪物です。クリスマスキャット(Jólakötturinn)は、クリスマスイブまでに新しい服をもらえなかった人を食べると言われる猫です。
ユールラッズは昔から優しいサンタだったのですか?
いいえ。もともとは子どもを脅かすための存在で、1746年にはユールラッズで子どもを怖がらせることを禁じる布告が出されました。現在の13人の名前と性格は1932年にJóhannes úr Kötlumが発表した詩で定着したもので、今では伝統的なアイスランドの衣装やサンタの服を着て、プレゼントを配る存在になっています。
サンタは13人、台本は0冊。次に会えるのは、毎月の恵比寿の即興コメディです。